淡々と記録するよ

数多の星々の中のこの地球にあって

考察は常に具体例を通じて進めること,特に典型例から始めて境界例に至る形で進めるべきこと

法律論は具体的な事案を常に参照しながら進めなければならない。抽象的なレベルでどれほど完璧な理屈を組み立てようと,説得力があるとは限らない。説得力が産まれるのは,議論が具体的な問題に根差している場合だろう。

また,このことは学習者としても重要である。事案の解決に影響を及ぼさない議論には付き合う必要がないということだ。司法試験では具体的な事例を通じて法律の解釈適用能力を問うこととされている以上,いかなる法理論も,具体的な事案との関係で意味を持つものでなければ,重要ではないのである。