立証責任
- エンジニアの方から「立証責任が誰にあるかは、法律を見れば分かるのか?」という質問を受けた。
- まさに、法律要件分類説の話だ。
- 法律要件分類説というのは、立証責任は、法律を見れば分かるよ、という説だ(個人的にはこういう話を聞くとふざけているのか?と思い、怒りで勉強がストップしてしまうのが、受験勉強が難航した原因であった)。
- 「基本的には法律を見れば分かるが、それでは都合が悪い場合には裁判所が修正する。結局条文を見ただけでは分からないということかもしれない」と答えたが、あまりにも木で鼻をくくった回答になってしまったかもしれない。
- 実際には法曹は基本的には「立証責任は、法律を見れば分かる。」と考えていると思う。
- それが通らない場面というのは限られた場面であり、大体有名だから当たり前になっていて、条文に欺かれるという意識をあえて持つことは無いのではないか。
- たとえば債務不履行を主張するための要件事実は、「債務が履行されないこと」ではない。無いことの証明は難しすぎるからだ。逆に、「債務を履行したこと」の証明は比較的容易である。だから、立証責任は、条文の文言をひっくり返して、債務不履行責任を追及される側に課されている。