制度イメージの3類型=制度化、伝統化、状況化。
制度と異なりその存在を意識することすら難しいのが「伝統」。そんな「伝統」から自由であるということはあらゆる物事への執着がないように見えるということ。「道は道である限り、それは真の道ではない」(106頁、中島敦名人伝)。
制度制度といっても結局は状況次第だよねと考えるのが「状況化」。世間が状況化すると一つの失敗が連鎖して破局へとつながるため、「うまくいっている」と感じさせる「演技」の役割が大きくなり、「状況化は制度化と相反関係にあるものの、虚構という一つの制度に拘束されるアイロニカルな結果をもたらす」(122頁)。